吉田焼の起源に思いを馳せたテーブルウェア
肥前吉田焼デザインコンペティション2016
テーブルウェア
2016
佐賀・肥前吉田焼という磁器製品の知名度を高めるという目的で行われた肥前吉田焼デザインコンペティション2016にて産地賞を受賞したテーブルウェア。吉田焼は水玉模様の茶碗や湯呑みといった磁器製品が有名で、同じ九州地方で有名な有田焼・伊万里焼・波佐見焼などと起源を同じくしている焼き物。これらは吉田焼も含めすべて同じ素材、同じ製法で生産され、産地の名前で呼び方が変わるという本質的にはほぼ同じものと言える焼き物。
それにも関わらずブランディングの問題から吉田焼だけ世間に名前を知られておらず、知名度として取り残されているような状態であった。
その問題を解決するべく開催されたのが肥前吉田焼デザインコンペティションだった。
吉田焼という産地を人々へ知ってもらうために「吉田焼の起源に思いを馳せるプロダクト」とコンセプトを定め、製品に産地のストーリー性をもたせることにした。
吉田焼の起源はその昔、鳴子川に沈む白い石を人々が発見し焼き物として産業にしたことがはじまりだという説がある。
そのストーリーから水と石というキーワードを取り出し、水面に石を投げ込んだ際に起こる波紋をデザインに取り込んだ。
ディッシュ on ディッシュスタイルを採用し、プレート皿に彫られた波紋模様の溝には小皿やカップがピタリとはまるようにデザイン。お皿をささえる土台とも言える”高台”の設計も表の溝や、焼成時に起こる”割れ”や”ひけ”を考慮しつつ全体をささえられるように設計することで裏から見ても美しいテーブルウェアとなった。

