hanatsumi

へら絞りの可憐な美しさを表現した酒器

スタディ作品
酒器
2023

金属加工技術である”へら絞り”をテーマにデザインした酒器。

へら絞りとは金属板を旋盤へ取り付け、回転させた状態で専用の”へら”を押し当てることで金属を引き伸ばすように成形していく加工技術。その際、金属は薄く伸ばされ光沢を放つ。

なだらかな金属の錐型がすっと細くすぼまっていく、そんなへら絞り加工をはじめて見て感じた印象は花のような可憐な美しさだった。へら絞りで製造された既存のぐい呑みやタンブラー等の酒器は、どこか無骨で男性好みなデザインが多く見られる中で、この可憐な美しさを上手く伝えることができれば、今までのターゲットとは異なるユーザー層へアプローチできるのではないかと考えた。

可憐な美しさを表現するために、器として本来必要な机との接地面の安定性をなくし花のような形に。そしてその花の器を支える台を枝のようにデザインした。

花を摘んで蜜をのむような、そんな風情を味わえる酒器となった。